5/30/2010

時速380kmの新幹線(その3)

中国は19世紀、20世紀の経験もあり、基幹産業は自前で、という意識が強いし、政策的にもそれが貫かれている。実際にトヨタなど日系の自動車メーカーや、フォルクスワーゲン等他の外資の自動車工場は、全て中国企業との合弁である。消費者の認識はトヨタ、日産、ホンダの車に乗っているのだ、という意識があるものの、中国での製造・販売される限りにおいては、中国企業にも収益が落とした上で、自らの収益を上げている。

鉄道は、よりインフラに近い重要な産業だけに、ここを単に「外国企業の技術でやりました。」と言いたくない中国政府の立場も、理解はできる。(当初は独自技術でということで「中華之星」という車両が開発された。)
中国自身が鉄道関連産業を育てたい、というのも、一つの国の政府としては当然の姿勢であり、特定の産業の振興のために外資の進出を一部制限するのは、日本もやってきたことである。

川崎重工は、中国の鉄道会社との間で「青島四方川崎車両技術」という合弁会社を設立(プレスリリースによれば日本側と中国側で50%/50%)している。製造自体は中国の国産化されているので、この会社が請け負うわけではないようだが、日中の利害を一致させる、という意味では正しい動きだと思う。日中で鉄道製造の合弁会社を作って、中国が影響力があるアフリカで鉄道を受注する、ということがあってもいいと思う。実際に、川崎重工は中国企業と共同でシンガポールの地下鉄の車両を受注(川崎重工2009年5月7日リリース)するなど、技術「収益化」を結構戦略的にうまくやっている印象を受ける。

(その4)

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